これが、著者の主張である。
衝撃的な内容だ。
これまで温暖化の原因は、二酸化炭素などの温室効果ガスだと言われてきた。
教科書にもそう書いてあるし、わたし自身も学生にそう教えてきた。
しかし、著者によると、それは間違っている、という。
1980年を境にして不況により化石燃料によるCO2の放出は鈍化している。
そして、1990年から現在(2005年)まではほとんど増えていない。
それにもかかわらず、1980年の後、大気中のCO2濃度はそれ以前よりも急上昇している。
つまり、大気中のCO2の増加は化石燃料の使用量には関係がなく、
別の原因によることになる。(129頁)
著者の主張は、明確である。
温暖化は、CO2濃度の上昇が原因なのではない。
気温の上昇が原因で、CO2濃度の上昇は結果だ、というものだ。
では、なぜ二酸化炭素が温暖化の原因物質として強調されているのか?
それは、原子力発電を推進したい勢力がいるからだ。
著者は、そういう。
二酸化炭素の大量排出が強調されることによって、
かえって大気汚染の問題が隠蔽され、原発が推進されてしまう。
このことの問題は大きい。
では、気温の上昇は、何が原因だったのか?
それは、複合的な要因だと、著者は考えているようだ。
温暖化そのものは自然現象かもしれないし、人為的な要因もあるかもしれない。
人為的な要因で著者が重視しているのが、化学物質による大気汚染だ。
二酸化炭素が温暖化の原因なのではないとすると、
環境保護運動のあり方も見直しを迫られることになるだろう。
京都議定書の評価も、変わってくるだろう。
その意味で、この本は、冒頭で述べたように、衝撃的である。
わたし自身はまだ判断に迷っている。
科学者たちによるさらなる研究と議論に期待したいところである。
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