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zoom RSS 長谷川公一『脱原子力社会へ』(岩波新書)

<<   作成日時 : 2014/05/14 08:29   >>

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安倍晋三は、絵に描いたようなバカである。

そのうえ絵に描いたような悪人である。

原発を海外に輸出して、核を世界中に拡散させようとしている。

そのときの彼のキャッチコピーは、
「日本の原発は世界一安全です」「世界最高の原発技術です」だという。

誰がどう見ても詐欺師である。

 福島第一原発の1号機は1966年12月設置許可が出され、67年9月に工事認可が出された古い原発だが、非常用発電機を地下に置いたのは、竜巻やハリケーンを想定した「米国式設計」をそのまま採用したためだった。東電最初の原発だった1号機は、ゼネラル・エレクトリック(GE)などアメリカの企業が設計と工事を仕切った。「『東電は運転開始のキーをひねるだけ』という『フル・ターン・キー』と呼ばれる契約で、技術的課題は丸投げだったという」「東芝や日立など国産メーカーの役割が増した2号機以降の設計も、ほぼ1号機を踏襲。津波など日米の自然災害の違いをふまえて見直す余裕はなかった。旧通産省の元幹部は『米側の仕様書通りに造らないと安全を保証しないと言われ、言われるままに造った』と振り返る」(朝日新聞、2011年6月11日付夕刊)。(12−13頁)


非常用発電機を地下に設置し、
地震と津波で全電源喪失という異常事態を招いたのは、
結局はアメリカの言うとおりにしていたからだったのである。

どこが日本の原発技術は世界一なのだろうか?

日本の保守派というのは、原発のことは考えても、
日本人の生命のことは微塵も考えていないのである。

 「毎日原発のことばかりでいきたここちしません こうするよりしかたありません さようなら 私はお墓にひなんします ごめんなさい」。6月下旬に首つり自殺した、南相馬市の緊急時避難準備区域に住む93歳の女性の遺書である(毎日新聞、2011年7月9日付)。4〜6月の福島県内での自殺者は160人で昨年同期よりも約2割増えている。須賀川市の64歳の農家の男性の自殺(3月)、飯舘村の102歳の男性の自殺(4月)、相馬市の50歳代の酪農家の男性の自殺(6月)、川俣町の58歳の女性の焼身自殺(7月)など、避難を迫られ、あるいは今後の農家への絶望感から追い詰められた、とくに高齢者の自殺が目立っている。(18頁)


ひとが死んでも、日本人は心を傷めない。

安倍内閣への高い支持率がそれを物語っている。


  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


いま日本では、原発の再稼働が議論されている。

しかし再稼働が議論されていること自体が狂気の沙汰である。

石橋克彦氏が指摘するように、大地震活動期に入った、地球上の地震活動の約1割が集中している狭い島国に、54基、世界全体の商業用原子炉の12.2%が立地している。(19頁)


なぜ原発が手放せないのか?

それは核武装への欲望があるからである。

日本は核武装の潜在的可能性がもっとも高い国であり、国際原子力機関(IAEA)から余剰プルトニウムの核兵器への転用をもっとも警戒されている国である。そのため1991年8月以来、日本政府は余剰プルトニウムをもたないことを国際公約としてきた。現在世界144ヵ国でIAEAは査察を行っている。IAEAの全査察業務量のうち24%は日本一国のものであり、再処理工場が運転を開始すれば、全査察業務量の30%が日本に対するものとなる。(65頁)


だから、日本人には北朝鮮の核開発を非難する資格がない。

 日本は、2009年末で34.19トンのプルトニウムを保有し、そのうち24.13トンは英仏の再処理工場で保管されている(原子力委員会資料)。六ヶ所村の再処理工場で、予定どおり年間800トンの使用済み核燃料が再処理されれば、年間8トンのプルトニウムが抽出される。(65頁)


このプルトニウムは、原爆の材料にほかならない。


  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


原発は「クリーンなエネルギー」だと言われてきた。

こんなウソを推進派は平気でついてきた。

 原子力発電は「安くて、クリーンで安全な(cheap, clean and safe)」発電であるという「神話」は、アメリカやドイツなどでは1970年代半ばに既に破綻していた。
 アメリカでは原発の新規発注は、スリーマイル島事故前年の1978年を最後に途絶え、しかも1974年以降発注された原子炉は、1基も完成していない。(76頁)


アメリカですら、原発はつくられていないのだ。

ではいつからつくられていないのか?

 79年のスリーマイル島事故をきっかけにアメリカでは原子力離れが始まったという趣旨の記述をしている文献が多いが、それは正確ではない。アメリカの場合、原発離れは70年代半ばにすでに始まっていたのである。79年のスリーマイル島事故はそれを決定的に加速したというのが正確な理解である。経済的リスクの大きさという問題はそれ以前に顕在化していたからである。(77−79頁)


民間企業にとっては、原発はリスクが大きすぎるのだ。

経済合理性がまったくないからである。

 アメリカ合衆国カリフォルニア州の州都サクラメントには、原子力発電所を住民投票で閉鎖して見事によみがえった電気事業者がある。世界的にみても原発閉鎖後の電力グリーン化の代表的な成功事例である。(82頁)


結局、原発などという怖ろしいものを民間企業ができるのは、
その背後に政府がついて守ってくれているからなのである。

ところで、「原発が止まったら日本の経済は崩壊する」と
言っていたひとたちがいた。

ネット上にはこうしたひとたちがウジャウジャいた。

「原発が止まったら江戸時代に逆戻りする」と言っていた、
関西系ワイドショー番組の司会者もいた。

ミヤネとかいう名前の、つまらぬ顔をした御仁である。

いま日本の原発はすべて停止している。

しかし江戸時代に逆戻りしていない。

電力不足も起きていない。

彼らは私たちに非を認め、謝罪しただろうか?


  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


原発がないと地方の経済は立ち行かない、
という原発擁護論も見かける。

米軍基地がないと沖縄の経済は立ち行かない、
というデマと同種のデマである。

 葛巻町は「新幹線もない、高速道路もない、ゴルフ場もない、リゾート施設もない、温泉もない、『有名人』がいたわけでもない」地域である。それなのに、岩手県葛巻町は元気な町として全国の注目を集めている。(153頁)


もちろん原発もない。

再生可能エネルギーで活性化しているのが、この岩手県葛巻町だ。

エネルギー自給率がなんと160%だという。

多くの専門家に注目を浴びる有名な地域だ。

もちろん自然エネルギーだけで営まれているわけではない。

 基盤にあるのは、第三セクター葛巻町畜産開発公社による酪農事業である。町内・関東方面からの酪農家から生後3ヵ月から6ヵ月までの雌の仔牛を2年間預かり、妊娠牛で返す事業を行っている。預かり料は1頭あたり1日500円。2000頭を預かっているから、これだけで1日100万円、年間で3億6500万円の安定的な収入になる。(155−156頁)


自然エネルギーで有名になると、その相乗効果として、
酪農やワイン醸造もうまくいくようになったのだという。

 これらは町主導のプロジェクトだが、このほかにも、宮澤賢治に共鳴した吉成信夫氏らによるエコ・スクール「森と風のがっこう」のような市民的なプロジェクトがある。廃校になった分校をリニューアルし、持続可能な農的な暮らしを体現しようというパーマカルチャー(permaculture)の基本コンセプトにしたがった取り組みである。(156頁)


原発は、地方の厳しい経済状況には仕方がない、と言うひとがいる。

では、実際に原発誘致で成功した地方がどれほどあるのだろうか?

原発に依存する開発は、巨大資本によって荒らされるだけだ。

それに対して、自然エネルギーによる地域づくりは、
地元の資源を重視した、民主的な取り組みである。


  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


福島第一原発が爆発したとき、海外のほうがこれを深刻に受けとめた。

情けないことである。

 日本では目立った報道はなされなかったが、フクシマ事故にもっとも素早く反応したのは、イスラエルのネタニヤフ首相だった。10年3月に民生用の原子力開発を進める意向を表明していたが、11年3月13日、計画を見直す考えを表明。3月16日、建設計画の中止を決定した。原発がテロ攻撃にあった際のリスクを恐れたものと見られる。(195頁)


日本の政治家にこうした「危機感」がないのは、
北東アジアの「脅威」を本当は信じていない証拠である。

 タイの副首相も3月16日、「国民を危険にさらしたくない」と原発導入を断念することを明言した。タイは原発5基の建設を計画し、まず2021〜22年に100万kWの原発2基を稼働する計画で、中国や日本原電などと技術協力協定を結び、事業化調査を進めていた。(195頁)


ネタニヤフはまだ自分の生命を考えている。

タイの副首相のほうが、自国民の生命を考えている。

それに比べて日本の保守政治家は、何も考えていない。


  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


本書は、さまざま事例やデータを知る上で、貴重な1冊だった。








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