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<<   作成日時 : 2014/05/01 13:21   >>

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「日本は自由の国だ」と寝言を言うひとがいる。

「日本は先進国だ」と思い込んでいるひとがいる。

だから書いておく。


  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


日本の原発政策の戦犯は、何人もいる。

極悪人がたくさんいる。

そのなかのひとりに平岩外四がいるのは言うまでもなかろう。

東京電力で社長・会長を歴任し、経団連会長も務めた人物だ。

平岩体制のもと、労働者はあの手この手で経営側に取り込まれ、
労務管理が徹底されていたという。

従順になった労働者は「民社党」への投票を命じられたというが、
そればかりでなく「富士政治大学」に送り込まれたのだという。

「富士政治大学校」とはいったい何なのだろうか?

以下の引用はすべて斎藤貴男『「東京電力」研究』(講談社)からである。

 富士政治大学校とは、1969年に設立された同盟および民社党系の研修機関である。富士山を望む静岡県御殿場市内に立地して、労働組合員や党員たちを教育、養成してきた。(304頁)


ここではどのような研修が行なわれていたのだろうか?

あるジャーナリストがかつて体験取材したというので、
その驚くべき内容を見てみよう。

このジャーナリストが参加したのは、
「全日本郵政労働組合」(全郵政)のグループだったそうだが、
「全郵政」とは労使協調路線の労組だった。

 参加していたのは76人の全郵政組合員だ。20代前半の男性が大半だったが、女性も4人いた。初日は正午から食堂で、「三訓五戒」の唱和から始まった。設立者とされる民社党の2代目委員長・西村栄一が遺した言葉である。
  一、己れを捨てよ
  一、反省を忘れるな
  一、最後までねばれ
 これで三調。五戒は、
  一、時間を守れ
  一、言訳はするな
  一、愚痴をこぼすな
  一、陰口をつつしめ
  一、けじめをつけよ
 食事を終えて教室へ移動。ここではまず、講師の指導で「カケアイコール」だ。
 「全郵政ッ」
 「躍進ッ」
 「全郵政ッ」
 「躍進ッ」
 これを繰り返す。総評系の労働組合が好んで使う「シュプレヒコール」(同じスローガンを一斉に叫ぶ)とは違い、掛け合うところがミソだった。「全逓ッ」「粉砕ッ」のパターンもあったという。当時の全郵政は、戦闘的な左派の労働組合「全逓信労働組合」(全逓)と、鋭く対立していたのだ。(305頁)


ここまでは日本の企業や学校でもおなじみの、
きわめて全体主義的な光景だ。

このあとがすごい。

 翌日の昼間、参加者たちが待つグラウンドに、1人の男性が5人の女性を連れてきた。男性は東洋大学教授村田宏雄(1919〜2002)……心理学者だ。女性はTシャツにトレパン姿だが、みな化粧が濃く、赤いルージュが人目を惹いた、という。彼女たちは教師役だった。(306頁)


いったい何がはじまるのだろうか?

長い引用になるが、読んでみてほしい。

 5人の“女教師”たちは、それぞれの班員に、1人ずつスクラムの組み方から全身カケアイコールまで徹底的に指導する。見ていると、受講生たちは女闘士に指導される新兵のようだ。
 しかし、“女闘士”が、いずれも魅力的な若い女性で厚化粧なところが、どことなく妙な雰囲気でもある。が、私自身、そんなふうに思うのは疲れきっているせいかもしれない、と思い直す。(中略)
 午後4時5分、村田教授の指導で、『エンカウンティング・トレーニング』が始まる。(中略)
 「次は相互信頼のゲームです。ハイッ、女の子が中に入って、周囲の者は肩を組んで」
 “女教師”が肩を組んだ円陣の中に入る。「ハイッ、彼女たちが倒れないよう、胸で支えてやってください」。“女教師”は、故意に受講生にもたれかかり、その都度、受講生たちが押し戻す。円陣は最小のものになる。
 「ホラ、こっちにも来てくれよ」「ワッショイッ…」……。
 受講生たちが騒ぐ。“女教師”は、さきほどの厳しさはどこへやら「いやーん」と嬌声を出す。“女教師”の代りに4人の女子受講生が円陣の中に入っているグループもある。(中略)
 「各自、風船をふくらませて、真ん中の女性と抱き合って、それを割ってください」。「胸で割るより腹の方が割りやすいゾ」。講師が助言し率先してやってみせる。“女教師”とひしと抱き合い「ソレッ」と腰を突き出す。“女教師”も同時に腰で応じる。あるいは、互いに腰を左右にもむように“女教師”と抱き合って腰に力を入れる。数回、腰をお互いに突き出し、風船が割れるが、その瞬間は、抱き合ったまま下腹部が密着する格好になる――。(中略)
 “女教師”たちは、ためらいもなく男子受講生の首根っ子にしがみつき、風船が割れるまで腰を押しつけあう。(中略)
 「それッ、もっと腰を入れろッ」「そう、その調子だ」「本気で腰を使っているのかよ」……。パーンと風船が割れると、待ち構えたように次の受講生が風船を腰にあて“女教師”に挑んでゆく。

 ゲームは明らかに性行為を模していた。〈輪姦するイメージ〉だったとさえ、宇治は書く。

 しかし、奇妙なことに、それが不自然な行為とは思えないのだ。むしろ、もっと野蛮なことを思いきりやってみたい衝動がつき上げてくる。集団で一つのことを為しているためか、昂奮した群集心理に近いものか。いずれにせよ、つき上げてくる衝動は攻撃性のものである。
 おそらく、このときに村田教授が、
 「ハイッ、次は女性の服を脱がしてください」
 と指示すれば、受講生たちは、これもゲームと信じて何のためらいもなく“女教師”を裸にしたであろう。また、そうしても一向にかまわない、と確信させる妙な連帯意識が確かに生まれていたのだ。
 この「エンカウンティング・トレーニング」は、2時間も続けられたという。夕食の後は再び「カケアイコール」。
(306−308頁)


アイヒマン実験を連想させるものである。

それにしても、なんと気持ち悪い「研修」だろうか。

日本の多くの企業が行なっている「研修」は悪名高いが、
これも相当に気持ちの悪い「研修」である。

こうして権力者に従順な労働者がつくられていったし、
この研修機関から議員も育てられていった。

 富士政治大学校は現在も存続している。民社党は解体されたが、旧同盟系の労働組合や、民主党の地方議員らに研修の機会を提供してきた。運営に当たる公益財団法人・富士社会教育センターで理事長を務めていた宇佐美忠信(1925〜2011)は、同盟の会長や連合の副会長を歴任した労働運動家で、晩年も「新しい歴史教科書をつくる会」の賛同者に名を連ねるなど、精力的な活動で知られた。(308頁)


ときどき「労働組合は『左派』で『反体制』だ」と言うひとがいるが、
それはとんでもない無知である。

連合(!)の幹部が「新しい歴史教科書をつくる会」(!)にも賛同していても、
何も不思議なことではないのである。

わたしは学生のころから民社党は心の底から嫌いだったし、
現在の民主党も虫唾が走るくらい大嫌いである。

 ……民社党もまたCIAの資金援助を受けていた。2006年7月18日に刊行されたアメリカ国務省の外交史料集第29条第2部が公にした事実である。……CIAは1959年以降、“左派穏健勢力”を社会党から分断し、“より親米で責任ある野党”の出現を促す秘密計画を展開。民主社会党が結党された1960年には7万5000ドル(当時の日本円で約2700万円)が提供され、その後の4年間も同額程度の資金が渡され続けた。(76頁)


つまり民社党も自民党と同様、アメリカの手先だったわけだ。

むろん労働組合すべてが権力に擦り寄る体制派なのではない。

斎藤貴男『「東京電力」研究』には、
労働組合が原発計画を潰した事例も紹介されている。

だが労働組合のなかには労組の名に値しない無恥な組織も多い。

現在の「連合」はその代表である。









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