フォーラム自由幻想

アクセスカウンタ

zoom RSS 田原牧『中東民衆革命の真実』(集英社新書)

<<   作成日時 : 2013/06/28 07:20   >>

トラックバック 0 / コメント 0

あまりおもしろい本ではなかった。

おもしろくなかった本や難解すぎる本は、
当ブログでは紹介しないようにしてきた。

ただこの本を読んだことによる収穫がひとつだけあった。

国務長官のヒラリー・クリントンはデモが始まった日の夜、「私たちの評価では、エジプト政府は安定している」と、革命の可能性を排除していた。実は革命後に聞くと、当事者であるエジプト人たちもまた、「こういう結果になるとは、予想もしていなかった」と驚いていた。あの物知り顔で、見栄っ張りのエジプト人が、だ。(48頁)


まさか革命にまで至るとは誰も予想していなかった。

しかし革命がそもそもそういうものだということは、
歴史を学んだことのあるひとたちにとっては常識に属す事柄だ。

わたしにとって収穫だったと言ったのは、このことではない。

日本から、あるいは海外から、エジプトの民衆革命を見ていると、
ムバラク長期独裁政権が市民の力で打倒された、
という単純な図式を思い浮かべてしまいがちである。

しかしそうではなかった。

エジプト人の間には、世代間のギャップが横たわっていたのだ。

興味深いエピソードを紹介しておきたい。

著者が通りをぶらついていたときのこと。

店の前でお茶をすする中年の男たちに声をかけられたという。

著者はアラビア語を話すことができたからだ。

どこでアラビア語を習っただの、定番の挨拶も終わると、男たちは「デモもいいかげんにするべきだ」と青年たちに批判的な言葉を繰り出し始めた。その1人、古着商のアフマド・アリューシュ(48歳)は苛ついた表情で「あいつら(青年たち)は本当にエジプト人か」と吐き捨てた。(72頁)


デモを繰り返した若者を苦々しく思っていたのは、男たちだけではなかった。

……主婦のルブナ・イスマイール(41歳)もこう話した。
 「私には青年たちの気持ちが分からない。うちの高校生の息子は青年たちが正しいというけれど。でも、ムバーラクはもう辞めると言っている。ならば、形だけでも花束を贈るべきでしょう。私もムバーラクが嫌いだったけど、だんだん同情したくなってきた」(74頁)


著者がエジプトで直接取材したことで得られた、
これらの「証言」がわたしにとって収穫だったのである。

どういう意味で収穫だったのか?

それはここには書かない。









テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
田原牧『中東民衆革命の真実』(集英社新書) フォーラム自由幻想/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる