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zoom RSS 湯浅誠『どんとこい、貧困!』(理論社)B

<<   作成日時 : 2010/06/12 02:52   >>

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「自己責任論」を主張するひとは、性格が歪んでいる。

そのことはよく分かったと思う。

つらい思いをしているひとに向かって、
「それはお前の責任だ」と言える神経は、「いじめ」に等しい。

はい、まだ反論のあるひと?

◆自己責任論・その3「死ぬ気になればなんでもできるんじゃないの?」


星野くん。

きみはいつもその精神論を持ち出すんだなあ。

でも、精神論ではどうにもならないこともあることは、
きみがいちばん気づいてもいいはずなんだぞ。

きみのような意見に対して湯浅さんは何て言っているだろうか?

 たしかに「死ぬ気になれば」なんだってできるかもしれない。1日24時間勉強しつづけることだって、原子力発電所で放射能を浴びながら原子炉の掃除をすることだって、狭い部屋にスシづめにされて、安い日当で働くことだって、過労死するまで働きつづけることだって、残業代を支払ってもらえずに月に100時間も200時間も残業することだって、身分証を取り上げられて売春させられることだって、死ぬ気になればできないわけがない。

 それで? だから?(71頁)


星野くんは労働者に「放射能を浴びろ」「売春でも何でもしろ」って言いたいの?

おい、なんだ、急に黙って。

「死ぬ気になれ」とひとに要求するひとは、醜いです。

そう言うひとたちって、決まって企業の不正には目をつむる。

「そうねぇ、でもね、少しはガマンしてつづけてみたらいいことあるんじゃないの? すぐあきらめるからいけないんじゃないの?」


「若者はすぐあきらめる」って言うけど、きみは本当にそれを目撃したのかい?

 少なからぬ人たちが、3年5年、ときには10年という歳月にわたって派遣労働で働きつづけてきた……。まじめに熱心に働いていた人たちも少なくない。でも、会社の業績が悪化したからという理由で辞めさせられた。ときには、一時的に工場の生産が減ったので、会社全体の業績は悪くないのに、辞めさせられることもある。生産が減ってもいないのに、人件費コストが高すぎる、と大株主に指摘されて辞めさせられる場合もある。(81頁)


どんなにまじめに働いていたって、クビになったのだよ。

まじめに働いて我慢して我慢しても、クビにされたのだよ。

そのキヤノンのある工場では、600人いた請負労働者を2009年のはじめに全員解雇した。全員がガマンして働きつづける気持ちのなかった人たちだと考えるのは無理だろう。そうやって、本人たちの気持ちとは関係なく、切られていった。(82頁)


これが実際に起きたことです。

 「ガマンしてつづける」気持ちが足りなかったのは、働いていた人たちじゃなくて、むしろ雇う人たちのほうだった。(82頁)


星野くん。

きみは、「ガマンしろ」という言葉を若者に言うべきじゃないのだよ。

企業経営者や株主たちに言うべきなんだ。

きみにはそういう知り合いがたくさんいるそうじゃないか。

彼らに言うべきじゃないか?

立場の弱いひとたちに「ガマンしろ」と言うのは、はっきり言って卑怯だ。

「よくわからないけど、言ってもいい? 最初から、なんかあったときのために貯金しておけばいいじゃん。結局、危機意識が足りないだけなんじゃないの?」


そうだねえ。

たしかにそういうふうに言う大人もたくさんいるよね。

日比谷公園に集まったひとたちの所持金がゼロに近かったり、
ほんの数百円しかなかったりという報道があったけど、
それも本人の責任なのでしょうか?

たとえば、いまホームレスと呼ばれるひとたちがいるよね。

 じゃあなんでこの人たちはホームレス状態になってしまったんだろうか。危機意識が足りなかったから?(85頁)


危機意識さえあったらホームレスにならなかったのでしょうか?

 少なからぬ人たちが、建設現場などの日雇い労働者だった。(86頁)


彼らは、1日単位で雇われて、仕事がとても不安定でした。

明日は仕事があるかどうかが分からないという、不安な毎日を過ごしていました。

日本の経済が順調で、仕事がたくさんあるときには、
企業は日雇いの労働者をたくさん雇いました。

でも、仕事がなくなると、彼らをモノみたいに捨てました。

 私が渋谷で活動しているあいだの90年代後半には、ホームレス状態の人たちは毎年1.5倍から2倍ずつくらい増えていき、活動しはじめた95年には100人足らずだったのが、99年には600人にまで増えた。(89頁)


貯金できるだけの賃金を支払ってもらっているなら、
そういうことも言えるかもしれないけど、
それは現実とはあまりにかけ離れたイメージにすぎないのです。

 誰だって歳をとる。そんなことはわかりきっている。だとしたら、ただたんに便利に使うだけじゃなくて、その人たちが歳をとって働けなくなったときのことを、どうしてその人たちに働いてもらって利益をあげてきた人たちが考えなかったんだろうか? だって、いままで社会が重宝していたんじゃないか、その人たちが現場で働いてくれたおかげで、道路も橋もできたんじゃないか。いまの便利な暮らしがあるんじゃないか。
 だから私はここでも、さっきと同じような感想を持つ。危機意識が足りなかったのは、社会のほうなんじゃないのか、と。(90頁)


いまわたしたちが便利な生活を送れるのは、
日雇い労働者たちが経済の底辺を必死に支えてくれたからです。

どうしてそのひとたちに感謝しないのでしょうか?

どうしてそのひとたちの暮らしを心配しようとしないのでしょうか?

立場の弱いひとたちをいじめることしか、日本人はできないのでしょうか?









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