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zoom RSS 湯浅誠『どんとこい、貧困!』(理論社)A

<<   作成日時 : 2010/06/11 01:09   >>

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世の中の大人って、言うことが無茶苦茶だ。

「若者は仕事を選んでる場合じゃない」なんて言うくせに、
「振り込め詐欺」の手伝いをすると「犯罪者に厳罰化を」なんて言う。

「若者のモラルが低下している」なんて言う。

矛盾しています。

だったら最初から「仕事を選ぶな!」なんて言うべきではないよね。

違法行為を行なっている会社では働きたくないし、
生活できるだけの賃金を支払ってくれない会社でも働きたくない。

というか、働けない。

それは誰にとっても当たり前のことだよね。

大人は現実を見てからモノを言うべきだと、先生は思います。

◆自己責任論・その2「甘やかすのは本人のためにならないんじゃない?」


さて、つぎの「自己責任論」バージョンを見てみよう。

「いや、わかるけどねぇ……昔はみんな貧乏だったけど、がんばっていたんだ。結局、誰かがなんとかしてくれると思ってるんじゃない?」


しばらく前に先生も、これと同じようなことを言っているひとをテレビで見たよ。

星野仙一と矢沢永吉の対談だった。

2人とも、「最近の若者は甘えてる」って言っていた。

それを聞いて先生はすごく頭に来た。

画面のなかに入っていって、2人を殴りたくなった。

「昔はみんな貧乏だったけど、自分の力でがんばったもんだ」って大人は言う。

 ところがいまの若い人たちは、生まれたときからそれがあたりまえになっているから、逆に、がんばる気持ちを忘れた。だから、食えないだの、仕事がないだのと簡単に言い、仕事があったらあったで、つらい、責任が重たいと言う。結局、自分でがんばっていこうという気持ちを忘れ、誰かがなんとかしてくれるだろうという甘えた気持ちが広がっているのだ――そんな話を、特に年配の人たちから聞いたことがないだろうか。(59−60頁)


はい、こういう大人の意見を聞いたことのあるひと?

あ、ほぼ全員が手をあげているね。

テレビに出ているお金持ちのひとたちがとくにこう言うよね。

これに対して湯浅さんは何と言っているだろうか?

 じゃあそのあいだ、国全体の富が減ったかというと、かならずしもそうじゃない。2002年から2007年までは戦後最長の好景気だった(「いざなみ景気」)。国の富が増えても、人々の暮らしには回ってこなくなった。……
 働く人たちの暮らしが楽にならないのは、かならずしもその人たちが努力しなくなったからじゃない。本当に努力しなくなったのなら、国の富も減るはずだ。(61頁)


それはそうだ。

最近の若者が甘えて努力しなくなったというのなら、
国の富は減っているはずだね?

でも、実際はそうはなっていない。

ということは、どういうことなのだろうか?

それは、ひとびとの暮らしがきつくなってきたのは、
働いているひとたちの努力不足なんかじゃなくって、
もっと別のところに本当の原因があるということなのです。

では本当の原因とは何なのだろうか?

分かるひと、いるかな?

麻生くん、きみ分かるかな?

なんだ、口をとんがらせて、何か不服でもあるのか?

教えてあげよう。

本当の原因は、富の再分配が不平等な仕組みになったからなのだよ。

じつは政治がつくり出した制度が原因で、格差が広がったというわけだ。

いまニュースでしきりに「消費税の増税」が話題になっているけど、
それも本質的な問題を隠しているずるい議論なんだよ。

ところで、よく「貧乏でも幸福なひとはいるだろう」って言うひともいるよね。

「途上国にはもっと恵まれないひともいるのよ」なんて、
ずいぶんと的はずれなことを言うひとも多い。

なるほど、貧しくても充実した人生を送っているひとはいるでしょう。

でもね、いま問題になっている「日本の貧困」は、それとは別なのです。

……「ネットカフェ難民」を対象にした厚生労働省の調査では、「悩みを相談できる人はいますか?」という問いに、「親」と答えた人はたったの2パーセント、「誰もいない」と答えた人が42パーセントに上った。(64頁)


このひとたちは、孤立してしまっています。

彼らは「貧しくても幸福な人生」を送っていると言えるのでしょうか?

「貧困」と「貧乏」はちがうのです。

そこを混同してはいけません。

はい、意見のあるひと?

「ちょっと聞いてくれよ! こっちは死ぬ気で勉強してんだよ。サボってるヤツ、甘えてるヤツと同じ結果じゃバカらしいよ。」


おお、きみはそんなに気合を入れて勉強しているのか。

きみからはそんな様子は微塵も感じられないけど、まあ、いいや。

湯浅さんはきみのような意見にも答えてくれている。

 そう思ってがんばっているあなたは、きっとものすごく努力しているんだろう。それはえらいことだし、すごいことだと思う。ところでそれは、誰のためなんだろうか?
 自分のためなら、べつに誰と同じでも、誰とちがっても、自分がやりたくてやっているんだから、かまわないはずじゃない?(67頁)


そうだね。

きみは自分のために死ぬ気で勉強しているなら、
ほかのひとのことをそんなふうに言う必要はないはずだよね。

「自己責任論」をふりかざすひとたちは、
「自分はこんなにもがんばってきたのに」と言うかもしれないけど、
「自分のために努力した」のだったら他人をそんなふうに言うのはおかしいよね。

自分はものすごく努力しているのだから、
ほかのひとたちはもっともっとつらい目にあうべきだ、
とでも言いたいのでしょうか?

だとしたら、人間として見苦しいですね。

 自分がつらいとき、ほかの人たちが楽しそうにしているのを見るのは、さらにつらい。自分が苦しいときは、ほかの人たちにはもっと苦しくしていてもらいたい。楽しているように見える人間を見るとムカつく。そいつらは、かならずそのツケを支払うべきで、将来苦しめばいいんだ。
 それは、それは、他人の苦しさによって自分が報われるという考え方だけど、その人たちには、べつのつらさ、苦しさがあるかもしれないとは考えないだろうか?(67−68頁)


「自己責任論者」というのは、例外なく、人間性に欠陥のあるひとたちだ。

そういうひとたちは、だいたい人相もわるい。

え? 先生も相当に人相がわるいって?

あとで体育館の裏にいらっしゃい。















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