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zoom RSS コンラッド『闇の奥』(光文社古典新訳文庫)

<<   作成日時 : 2010/01/03 11:10   >>

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マーロウは、アフリカ・コンゴの奥地へと踏み込んだ。

そこでは原住民が西洋人から奴隷として酷使されていた。

なぜなら、原住民は奴隷にふさわしいひとたちと見なされたからだ。

 地上の光景はこの世のものとは思えなかった。屈服して自由を奪われた怪物なら見慣れているが、あそこでは――あそこでは怪物的なものが野放しになっているのが見あられた。風景はこの地上のものとは思えず、原住民は――いた、彼らは、人間とは思えないというわけじゃなかった。わかるかな、そこが最悪なんだ――ああいうのも非人間的とは言えないんじゃないかと思えることがね。徐々にそんな気がしてくるんだ。吠える、跳ねる、くるくる回る、怖ろしげな顔をする。だがぞっとするのは、彼らも俺たちと同じように人間だと考える時だ。自分たちもこの野生的な熱い情熱を興奮と遠いつながりを持っていると思う時だ。なんて不愉快な。そう、とても不愉快だ。(91頁)


植民地支配のまなざしが、残酷さを増していく。

われわれ白人は、すでに文明の高い段階に達していることから、“必然的に彼ら蛮人の眼に超自然的な存在と映る――われわれは神のごとき力を備えて彼らに接することになるのだ”。“われわれはただ意志するだけで、事実上無制限に善き業を成し得るだろう”うんぬん。(124頁)


映画『地獄の黙示録』の原作として知られているのがこの作品だ。

アフリカは西洋人に「暗黒大陸」と表象された。

アフリカのひとびとは「闇」に飲み込まれているとイメージされていた。

だから西洋人がそこに「光」を照らして文明へと導いてやらなければならない。

帝国主義支配は「啓蒙主義」によって正当化されたのである。

「啓蒙」とは、英語で「Enlightenment」という。

これは「光を当てる」という意味である。

最近、日本の過去の植民地支配を露骨に正当化する言説が聞かれるが、
彼らは帝国主義者・植民地主義者のまなざしを繰り返しているのである。

このように、『闇の奥』は帝国主義の視点から読み解かれてきたが、
これ以外の読み方もあることが本書の「解説」によって明らかにされている。









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