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zoom RSS 見田宗介『まなざしの地獄――尽きなく生きることの社会学』(河出書房新社)・続

<<   作成日時 : 2009/04/18 08:29   >>

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1960年代〜70年代の日本はどのような社会だったのか?

それを、N・Nの連続射殺事件を通じて分析したのが本書である。

巻末の解説(大澤真幸)からも、いくつか拾ってみたい。

N・Nの事件は、30年以上前に起こったものである。

では、これに対応する現在の事件は何であろうか?

N・Nの事件と同じように社会に大きな衝撃を与えた事件は何であろうか?

言うまでもなく、神戸市連続児童殺傷事件である。

1997年に『酒鬼薔薇聖斗』と名乗った少年A(当時14歳)が引き起こした事件だ。

そして同じ1997年、N・Nの死刑が執行されている。

このつながりは何を意味しているのだろうか?

また少年Aの年齢に注目すると、奇妙な符合に気づく。

2000年の西鉄バスジャック事件を引き起こした少年や、同年、愛知県豊川市で「人殺しを経験してみたかった」という理由で老女を殺した少年は、ともに、当時17歳の高校生で、少年Aと同じ歳である。そして、2008年に、東京秋葉原で次々と17人を殺傷したKは、25歳の青年だが、やはり、少年Aと同じ年齢である。(107頁)


『まなざしの地獄』を読むと、
誰でも秋葉原通り魔事件のことを連想するはずである。

この事件のKも、じつは少年Aと同じ年齢だという。

N・Nの事件と少年Aの事件とを比較すると何が見えるのだろうか?

N・Nにとっては、まなざしが地獄であった。Aにとっては、逆に、まなざしの不在が地獄である。(109頁)


大澤真幸はこのように的確に指摘する。

わたしたちはここで、
少年Aが自分のことを「透明な存在」と述べていたことを想起するはずだ。

そして秋葉原のKも、
掲示板への書き込みに誰も反応してくれたなかったことに
強い苛立ちを見せていたことを、わたしたちは想起するはずだ。

そういえば、KもN・Nと同じく青森から出てきた少年だった。

ここに、1960〜70年代の日本と現在の日本の相違がある。

では、これらの事件を考察することで、
日本社会の何が明らかになってくるのだろうか?

それについては、本書を直接読んでみていただきたい。

次の本もあわせて読むことをおすすめする。

永山則夫『無知の涙』(河出文庫)





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