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zoom RSS ハワード・ジン『ソーホーのマルクス』(こぶし書房)

<<   作成日時 : 2009/01/05 10:11   >>

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ハワード・ジンは、著名な歴史家であり、ボストン大学の名誉教授である。

アメリカの「正史」を厳しく批判し、
民衆の側から「闇のアメリカ史」を描きなおしたことで知られている。

そのハワード・ジンが、ユニークな芝居の脚本を書いた。

それが本書である。

共産主義者カール・マルクスが、ソーホーに現れた。

マルクスがかつて暮らしたロンドンのソーホーではない。
現代のアメリカ・ニューヨークのソーホーである。

あの世の官僚の手違いでマルクスが現代のニューヨークに現れた、という設定だ。

マルクスが現代世界を見たら、どのように思うのだろうか?

ビールを片手にマルクスが現代世界を斬る、という劇である。

ときは、1990年代後半。

米ソ冷戦が終結し、世界は「資本主義体制の勝利」に酔いしれていた。

社会主義は敗北した。
資本主義が勝利した。

しかし本当に資本主義は勝利したのだろうか?

むしろ現代こそ、マルクスの資本主義批判が読まれるべきなのではないか?

マルクスの資本主義批判は、私が示したいと思ったように、基本的に今日でも真実であり続けている。彼の分析は、新聞の見出しで日々検証されている。(26頁)


わたしも先日、マルクス『資本論』を引用した記事を書いた。
読書のすすめ」を参照。

資本主義の秘密が、『資本論』には容赦なく描かれている。

その没落の必然性についても描かれている。

ハワード・ジンは、劇中のマルクスに次のように語らせている。

ここアメリカでは、皆さんの監獄は満員だ。そこに誰が入れられているのか? 貧乏人だ。その幾人かは、暴力や恐ろしい犯罪に荷担した。大部分は、盗賊、泥棒、強盗、麻薬密売人だ。彼らは自由企業というものを信じている! 彼らは資本家が行なうことを行なっている。ただしずっと小規模に……。(85頁)


小規模の犯罪は、処罰される。

しかし、資本家・企業による大規模犯罪は処罰されない。

それどころか、そうした企業は株価が上昇し、称賛されさえする。

初心者にとっても読みやすい本だと思う。

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