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zoom RSS 藤井良広『金融NPO』(岩波新書)

<<   作成日時 : 2008/12/31 17:08   >>

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銀行による貸し渋り・貸しはがしが問題になっている。

とりわけ直接金融に頼ることができない中小企業は、
金融機関から運転資金を調達できないと事業をつづけることが困難だ。

そこで、いま話題の「金融NPO」である。

「NPO」は「非営利組織」のことだから、
「金融NPO」とは営利を追求しない金融機関ということになる。

しかしながら、こうした仕組みはじつは古くから存在していた。

振り返れば、日本では中世以来、庶民の間で相互扶助の資金融通手段として頼母子講・無尽講などが活用されてきた。……庶民が自らの資金をお互いに持ち寄り、無利子・無担保で融通し合う伝統的な「非営利金融」のシステムだった。(6−7頁)


つまり、古くからひとびとは支え合いのシステムを築いてきたのである。

「金融NPO」は、「頼母子講・無尽講」の現代版といったところだろうか。

では、金融NPOにはどのようなものがあるのだろうか?

金融NPOを大きく区分すると、……まとまった資金を元手に、地域活性化のための事業や人に必要資金を貸し出すのが「NPOバンク」だ。……次いで、風力、太陽光などの自然エネルギー発電事業や地域の起業を市民資金で実現するタイプは、「市民投資ファンド(コミュニティ・ファンド)」と呼ばれる。……営利の投資と異なるのは、事業自体に公共性があり、事業が成功しても市場で売却したりしない点だ。(9頁)


事業自体に公共性があるかどうか。

これはとても大事な点である。

「公共性」「公共心」の復権をバカみたいに繰り返す政治家や保守系論者が多いが、
彼らのほとんどは金融NPOの活動のような「公共性」に無関心である。

これは興味深い事実である。

ところで、金融NPOが一般的に注目されるようになったキッカケは、
やはりグラミン銀行だろう。

2006年のノーベル平和賞は、バングラデシュで女性向けマイクロ・ファイナンス(少額無担保融資)を展開するグラミン銀行の主宰者、ムハマド・ユヌスさんが受賞して話題を集めた。(15頁)


ふと思うのは、
NPOの活動自体はもうずいぶん前から活発になり、注目もされていたのだが、
金融の分野でNPOが活躍するようになったのがなぜ最近のことなのだろう、ということだ。

この本には、深い分析・考察などはあまり見られない。

なんか物足りない感じのする本だった。



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2008年ももう終わろうとしている。

わたしの心のなかでは、まだ10月くらいなのだが、
気づけばきょうは大晦日である。

まだそのことが受け入れられない。

来年は毎日記事を書けるようにしたいと思うが、そうもいかない気もする。

読者のみなさま、今年も読んでくださってどうもありがとうございました。

日本はますますイヤな方向に進んでいる。

来年もファッショ化のうねりに抵抗していきたいと思う。

みなさま、よいお年を。



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