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zoom RSS 小熊英二『単一民族神話の起源』(新曜社)

<<   作成日時 : 2008/09/27 11:30   >>

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分厚い大著だが、もっとも中山国交相に読ませたい本である。

日本は「単一民族国家」であるという「神話」がある。

この「神話」にとりつかれているひとが、少ないくない。

これは端的に事実として間違っているのだが、
この本を読むと、日本人の国家観の変遷が見えておもしろい。

台湾の問題に、ある意味でもっとも単純な解決方法を示唆したのは、福沢諭吉である。彼は台湾領有直後、原住者の抵抗が日本軍を悩ませていたとき、台湾の「只その土地を目的として全島の掃蕩を期し、土人の如きは眼中に認めず、一切の殖産興業を日本人の手に経営して大に富源を開発す可し」と主張した。福沢によれば、「兵力を以て容赦なく掃蕩を行ひ、葉を枯らし根を絶ちて一切の醜類を殲滅し、土地の如きは尽く之を没収して、全島挙て官有地と為すの覚悟」が必要だというのである。このような考えにたてば、必要なのは台湾の土地だけであり、原住者政策など無用であった。(55頁)


福沢諭吉は、だから、典型的な帝国主義者であった。

……万朝報や東京朝日新聞の社説なども、「我日本は韓国の併合に依りて純然たる島帝国より変じて、大陸的帝国となり」「日本は今度の合併に因りて一大陸国となれり」と述べたし、新渡戸稲造も併合による島国根性の打破を唱えていた。(115頁)


当時のメディアをはじめ、新渡戸稲造も典型的な帝国主義者であった。

日本はアジア諸国を侵略した。

現地の抵抗に対しては、容赦ない弾圧と虐殺で応えた。

1919年3月、朝鮮で三・一運動が発生、半島全土で朝鮮人が平和的示威行動を行なった。日本側は流血の鎮圧で対応し、5月までに死者約7500名、逮捕者は4万名をこえたといわれる。(152頁)


そして、戦後になると、こんどは、
「創始改名は朝鮮人が望んだこと」だと勝手に歴史を捏造するのである。

おい、麻生、お前のことだぞ。

1919年にヴェルサイユで開かれた講和会議で、日本代表が日本語訛りで演説をしたとき、フランス代表のクレマンソーが「あのチビは何を言っているんだね」とまわりに聞こえるような声で聞いたという逸話は、人種差別の激しかった当時の国際会議の雰囲気を示している。(214頁)


ヨーロッパ人は、当時、露骨にアジア人を蔑視していた。

この視線が、日本人にコンプレックスを与えた。

そのコンプレックスが、逆にアジアに対しては差別としてあらわれるのである。

麻生太郎首相は(ああ、こいつの名前に「首相」などと書く日が来るとは)、
「日本を明るくて強い国にする」と述べたが、
ここで「強い国」と言われていることに注意したい。

ここでいう「強い国」とは、
アメリカには尻尾をふって擦り寄り(集団的自衛権!)、
アジアに対しては露骨に威張るという態度のことだからだ。

本書に話をもどそう。

この西洋コンプレックスに関連して、驚く話がある。

なんと、かつて、
「日本人はじつは白人である」などという荒唐無稽な説まであったそうだ。

詳しくは本書を読んでみてほしい。

徳富蘇峰の変節ぶりなども、すさまじいものがある。

日本の代表的知識人たちの節操のなさがよく分かる。

〈われわれ〉の描き方は、〈彼ら〉との関係で決まる。ゲルマンやラテン、カトリックやプロテスタントといった自画像しかない人びとが、アフリカやアジアとであって「ヨーロッパ」や「白人」という自己を発見したように、薩摩人や水戸人も、黒船の衝撃で「日本人」を発見した。柳田もまた、ヨーロッパとの対決によって、「日本人」を単一の存在として描く視点を体得したのである。
 日本が「島」であるというのも、対比によって生まれた発想である。北海道・本州・九州・四国の住人で、自分のいる場所が島だと実感した経験のある者は、おそらくひとりもいないだろう。数時間ないし数日の歩行で海岸線を一周できる南洋諸島などとちがい、本州などは人間の身体感覚で島と実感するには大きすぎるのだ。日本が島であるというのは、地球が球体であるというのと同じくらい、地図や地球儀から教えられた知識にすぎない。実際には、日本列島の面積は東西統一後のドイツよりも大きく、「ちっぽけな島国」などではないのである。……
 「ちっぽけな島国」とは、欧米など外部の脅威の前に萎縮したときに、この列島の住人が発明する自画像なのだといってよい。(216−217頁)


この視点は、ナショナリズムを考えるうえで、基礎的な視点である。

欧米との対比で「日本」を発見したひとたちは、
コンプレックスの裏返しとして「日本の優秀さ」を発見しようと躍起になった。

「之を断行せる大政治家を世界に求めて、唯一人を得た。アドルフ ヒツトラーが夫れだ。ハイル ヒツトラー。」
 優生学による社会改造を掲げる日本民族衛生学会が設立されたのは、1930年のことである。事実上は運動団体なのに学会と名のったのは、設立当初は財団法人許可がおりなかったからで、5年後には日本民族衛生協会に改組された。運動目的は、遺伝病者や「劣等者」の断種、優生学者の診断による「優生結婚」、産児制限反対、日本民族の人口増殖などである。創立時の評議員には、吉田茂や鳩山一郎といった名もみえる。(249頁)


見たか? これを。

優生思想のヒトラーを賛美した者の名前を。

吉田茂、これは麻生太郎の祖父である。

麻生太郎は、人種差別の「遺伝子」を受け継いでいたのである。












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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
(以下ソース:複数の韓国の各社新聞のネット版)

-台湾、韓国、日本でもっとも単一民族に近いのは日本民族-
http://url.ms/AZs

-韓国人のルーツは中国中北部の農耕民族-
(中国倭族(弥生人のルーツの一つ)→日本倭人(弥生人)→朝鮮半島へ移住し今の半島人に)
http://url.ms/z12

"韓国人, 違う 民族の 血 40%位 まじている"
http://url.ms/z14

顔で見た韓国人、すでに他民族血統…“80%が北方系”
http://url.ms/z13
イルボン
2008/11/14 05:37
誰ですか?

何ですか? これは。
何が言いたいのか、さっぱり分かりませんねえ。

イルボンさんに「恥」をかかせるためにも、このコメントは消さずに、そのまま残しておきましょう。「恥さらしの刑」です。

こういうひとがネット上にはたくさんいるのでしょうね。お大事になさってください。
影丸
2008/11/15 00:36

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