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zoom RSS ルドルフ・ヘス『アウシュヴィッツ収容所』(講談社学術文庫)

<<   作成日時 : 2008/09/21 23:48   >>

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ナチスが作った強制収容所、絶滅収容所。

本書は、アウシュヴィッツ収容所の所長だったルドルフ・ヘスの手記だ。

これを読むと、この問題はまだ終わっていないことがよく分かる。

とくに印象に残った部分を引用しよう。

さて、ヒムラーの意を体して、アウシュヴィッツは、古今未曾有の大虐殺機関とされた。1941年夏、アウシュヴィッツに大量虐殺用の場を整え、その虐殺を実行すべしとのヒムラーの命令が伝えられたとき、私は、その規模と行く末について、片鱗も思い浮かべられなかった。
 たしかに、この命令には、何か異常なもの、途方もないものがあった。しかし、命令ということが、この虐殺措置を、私に正しいものと思わせた。当時、私は、それに何ら熟慮の目をむけようとはしなかった――私は命令をうけた――だから、それを実行しなければならなかったのだ。
 このユダヤ人大量虐殺が必要であったか否か、それについて、私はいかなる判断も許されなかった。その限りで、私は盲目だったのだ。もし、総統自らが「ユダヤ人問題の最終的解決」を命じたとあれば一人の古参ナチ党員にとって、いかなる疑いもありえない。まして、SS隊長となれば、なおさらのことである。「総統は命じ、われらは従う」――これは、われわれにとって、決して空言葉ではなく、単なるスローガンなどでは絶対になかったのだ。それは、きびしく、真剣にうけとられたのだ。(290−291頁)


命令を忠実に実行する人間。

命令こそ絶対であると信じる人間。

批判精神を失った人間。

判断を放棄した人間。

ここに、ひとりの典型的な官僚やサラリーマンの姿を見るのは、
わたしだけではないだろう。

その人間が、大量の人間をガス室に送ったのだった。

あらためて確認しておこう。

たとえ上からの命令だったとしても、違法な命令を実行することは「違法」なのだ。

したがって、罪も責任も解除されないのである。

解説には、次のような記述が見られる。

SSの訓練機関で、国家のため、同時に彼らの神でもある天皇のため、自らを犠牲とする日本人が、輝かしい手本と讃えられたのも、いわれないわけではない。(292頁)


ルドルフ・ヘスは、戦後、アウシュヴィッツ収容所で絞首刑に処せられた。











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