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zoom RSS 『それでもボクはやってない』★★★★☆

<<   作成日時 : 2008/07/15 18:19   >>

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今回の評価は、少し甘めの★4つ。

痴漢冤罪事件を扱った社会派ドラマ。

もしアメリカ映画だったら、冤罪事件をテーマにするならば、
「痴漢」などではなくて「死刑」に関わるような事件を扱うだろう。

無実のひとが処刑される物語の方が、ドラマティックだからだ。

そこをあえて「痴漢」事件にしたところが、よい。

劇中でも指摘されているが、
日本の裁判では有罪率がなんと「99.9%」である。

思わず目を疑う数字だが、これは日本の司法の現実である。

起訴されたら、その時点でまず「有罪」がほぼ決定されているわけだ。

司法のあり方を厳しく問い直す作品である。

ただし、「痴漢冤罪」がテーマになっているから、
女性たちはあまり主人公に同情しにくいかもしれない。

しかし、女性であろうと男性であろうと、
「冤罪」を問題にできない市民感覚は腐敗する。

女であろうと男であろうと、直視しなければなるまい。

もちろん「痴漢」は性犯罪であることも忘れてはいけないのだが。

ところで、日本にこれだけ多くの「痴漢」がいるという実態は、
ナショナリストたちの「夢想」を見事に打ち砕く。

「日本はすごいんだぞ」

「日本人は優れているんだぞ」


というナショナリストの欲望は、「痴漢」の存在によって挫折する。

こんな日本のどこがすごいんだ? え?

周防正行は、日本の現状と向き合っている稀有な監督だろう。

エンドロールが流れるとき、
背景に「最高裁判所」の建物が映し出される。

これが怖い。

最高裁判所は、無実を証明する最後の砦ではないからだ。

日本の最高裁には、そのような「正義」はもはや期待できない。

だから、この作品の最後の映像は、とてつもない恐怖を誘うのである。

(監督周防正行/2007年日本)














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