フォーラム自由幻想

アクセスカウンタ

zoom RSS スーザン・ソンタグ『他者の苦痛へのまなざし』(みすず書房)

<<   作成日時 : 2008/07/30 23:41   >>

トラックバック 0 / コメント 0

大した本ではない。

ただ、次の記述は、知っておくべき情報であり、
考えさせられる内容だった。

湾岸戦争のときのことだ。

……戦争終結の2月27日に、クウェート市から逃れたイラクの何千という徴集兵が北に向けて、護送されあるいは徒歩でイラクのバスラに行く路上で、爆弾、ナパーム弾、放射性の劣化ウラン弾を浴びせられるさまを、或るアメリカの将校が「七面鳥撃ち」だと称したその悪名高い殺戮……。そのフィルムはNBCが入手したものだったが、同局は放映を望まなかった。2001年のアフガニスタンでのアメリカの軍事行動では、報道写真記者は立ち入り禁止であった。(64−65頁)


「七面鳥」と呼ばれたのは、れっきとした人間である。

湾岸戦争のとき、すでにメディア自身による自己規制があった。

2000年、ニューヨークの画廊である写真が展示された。

1890年代から1930年代までのあいだにアメリカ合衆国のいくつかの町で起こったリンチによる黒人の犠牲者の写真が発見され、2000年にニューヨークの或る画廊で展示されたとき、それを見た何千もの人々は目から鱗が落ちるような衝撃を受けた。リンチの写真は人間の悪と非道を語っている。それらはことに人種差別によって野放しにされた悪の極限を考えさせる。この悪業には、それを写真に撮るという恥知らずな態度が内在している。写真は記念として撮られ、その幾枚かは絵葉書になった。歯を見せて笑う見物人たち、そのほとんどが日曜日には教会に行く善良な市民であるはずの人々が、木に吊るされた、裸で焼け焦げ、手足を切断された死体を背景に、カメラの前でポーズをとっている、そんな絵葉書は1、2枚にとどまらない。(90頁)


ここで「目から鱗が落ちる」という表現はおかしい。

たぶん誤訳だろう。

ともあれ、この記述から、何を想起するか?

イラクのアブグレイブ刑務所で行なわれていた、
米兵による拷問の写真だろう。

ここには、アメリカ人に巣くう人種差別の意識という問題以上のことが、
含まれているように思われる。

それについては、いずれ書くかもしれない。












テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
スーザン・ソンタグ『他者の苦痛へのまなざし』(みすず書房) フォーラム自由幻想/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる