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zoom RSS ミシェル・ヴィヴィオルカ『レイシズムの変貌』(明石書店)

<<   作成日時 : 2008/05/17 12:16   >>

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レイシズム(人種差別)は、新しい姿に変わった。

かつてのレイシズムは、
他の人種が自分たちよりもいかに劣等であるかを、
生物学的に明らかにしようとするものだった。

ところが、現在のレイシズムは、「文化」を利用する。

著者はここに新しいレイシズムの登場を読み取る。

……レイシズム言説を正当化する根拠が、これまでの生物学的劣等を重視する立場から、文化的差異を重視する方向に変化した……。以降レイシズムは、優劣ではなく「差異」を理由にし、「人種化された」集団に負わされる自然的特徴ではなく、彼らの文化、言語、宗教、伝統、習俗を根拠とするようになった。(43頁)


この視点から、新しいレイシズムがもたらす問題を照らし出そうとする。

他国のひとびとに人種的なイメージを貼りつけるのは、メディアである。

メディアが提供する他者表象は、長年、繊細さのまったく欠けたイメージに支配されてきた。人種差別の被害者を貶しめ、差別を受ける集団の成員がいかに劣っていて、汚く、ひどく、軽蔑すべきかということが強調された。他者は泥棒、強姦者、生まれつきの犯罪者であるか、愚かで教養がなく、知的に劣った人間でしかないというのである。このように欧米に共通する下品な他者表象は、概して第二次世界大戦や脱植民地化までの劣等化の論理に基づいた、二つの機能を備えていた。一方では、他者表象はレイシズムの被害者集団を支配する論理として機能した。それは彼らをほとんど動物同然とすることで、きわめて劣った労働力という彼らに唯一与えられた役割に還元しようとするものであり、それに対して彼らが怒り狂って暴れ出し、反逆するかもしれない危険性に十分警戒するよう訴えるものでもあった。他方、他者表象は支配集団の優越を示す機能も果たした。「人種化」された集団成員を人類の劣った種族とみなしたのである。……なかでも最も有名なものに、アメリカのアンクル・トムがある。(149頁)


日本人にも、身に覚えがあるだろう。

アジア系のひとびとは、日本人よりも劣っている。

愚かで教養がなく、知的に劣っている。

彼らはウソつきである。

彼らは、いつ怒り狂って暴れ出すか分からない。

このような表象が、軽蔑的に作り出される。

レイシズムの入門としては、読みやすい本だと思う。












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