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zoom RSS C・ダグラス・ラミス『憲法と戦争』(晶文社)・続

<<   作成日時 : 2008/05/14 08:30   >>

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先日紹介したラミスの本には、さらに重要なことが書いてある。

「君が代」についてだ。

「君が代」には、何かの特定の思想を植えつけるというよりも、
各人の思想を無力化する力があるのではないか、というのである(125頁)。

どういうことか、説明しよう。

「君が代」は、天皇を崇拝するという時代錯誤の歌である。

しかし、学校の式典などで「君が代」を歌ってるときに、
心の底からから天皇制が永遠に続くことを望む気持ちが湧いているわけではない。

狂信的な右翼は別にして、
大方の学生はとりあえず「君が代」を歌っている、という程度であろう。

かといって、「君が代」の斉唱に抵抗することもない。

ただなんとなく歌っている。

これによって、ある重大な効果が生まれる。

「私は抵抗しません。問題を起こしません。だから私をいじめないでください」
という権力に従順な人間を作り出すのが、「君が代」の効果なのである。

だから私たちにとっては非常に屈辱的なことである。

政府も、命令に忠実に従う子どもにさえなればよいと思っているのだから。

今のところは戦前のような天皇主義、天皇崇拝が今すぐに復活することはないと思います。そういう形ではなくて、自分が天皇について内心ではどんなことを考えていても、とにかく天皇賛歌の「君が代」を歌う、つまり命令に従い問題を起こさない人間がつくられていくのです。自分の思想と行動とを無縁にする、そういう教育になっていると思います。(123頁)


「君が代」に抵抗するひとびとは、どこかおかしいひとたちだ。

わざわざ波風を立てて揉め事を作り出しているひとたちだ。

そういう面倒な「空気」が醸成されていく。

別に「君が代」を歌うくらいいいんじゃない?

じつは、そこにこそ政府の狙いがある。

ひとびとは、周りも歌っているから、自分も歌う。

そうしていれば、安心だからだ。

国に目をつけられることもないし、教師に注意されることもない。

「私は政府の指示を守る、問題を起こさない人間です。私は政府の言うことを聞いて、抵抗しません。だから私をいじめないでください」というメッセージなのです。書かれていることとはまったく関係がなく、「自分がどう考えているということではなくて、政府の言うとおりにします」という、つまり「服従」のメッセージなのです。(122頁)


これを「洗脳」と呼ばないとしたら、何と呼べばよいのだろうか。

とりあえず「君が代」を歌っているひとびと。

こういうひとたちを、わたしたちは「国家の従順な家畜」と呼ぶことにしよう。

「君が代」の歌詞内容に心の底から共感していなくても、
抵抗も反抗もしないひとが多数を占めれば、
戦争のできる国家づくりまで、あともうちょっとである。












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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
なるほど。権力に従順な人間をつくるためにあったんですね。国家はそうやって、ちゃくちゃくと自国の利益になる国民をそだてていたのか。「君が代」は天皇崇拝の歌じゃない。天皇が「君」ならば、うしろに「が」は付けられないからだ etcとどこかで読みましたが、そんなくだらない議論をしている場合じゃないですよね。国家に殺されてたまるもんですか。
サブシルマ
2008/05/16 17:50
◆サブシルマさま

コメントどうもありがとうございます。「君が代」の「君」は「天皇」のことではない、という意見はときどき聞きますね。「君」が「天皇」でないなら、「君」とは一体誰のことなのでしょう……。教えてほしいですね。そんなことを言うと、こんどは本当の右翼が怒るでしょうに。

国家に対する幻想の批判は、これからもネチネチとつづけていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
影丸
2008/05/16 18:42
◆ナントカスミスさま

コメントはありがたいのですが、このように「正体不明のサイト」に誘導するような書き方は、ネチケットに反します。ご自分の意見があるのなら、それを正々堂々と述べてください。

したがって、今回は不本意ではありますが、コメントを削除させていただきます。
影丸
2008/08/20 19:17

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