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zoom RSS 『赤ちゃん教育』★★★★☆

<<   作成日時 : 2008/04/16 23:43   >>

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名匠ハワード・ホークスのコメディ作品。

主演ケーリー・グラント、キャサリン・ヘップバーン。

恐竜の研究をしていた動物学者は、結婚を控えていた。

しかし、ある快活な女性と出会い、振り回され、なかなか結婚ができない。

たたみかけるセリフと、次から次へと起こるトラブル。

さすがハワード・ホークスというべきか。

日本映画だと、見知らぬ男女の出会いが、いつも不自然に見える。

違和感を拭い去ることができない。

しかしアメリカ映画は、そこを見事に自然に描く。

わたしは、どちらかというと、エルンスト・ルビッチの方が好きだが、
ハワード・ホークスもおしゃれな映画をつくる。

ところで、この作品をたのしむに当たっては、
当時の時代背景を知っておかなければならない。

1930年代のハリウッドで、厳しい表現規制が作られた。

プロダクション・コードと言われるものである。

モラルを引き締める目的で定められた。

たとえば、派手な撃ち合いでひとが死んではいけないとか。

セックスを連想させるシーンを描いてはいけないとか。

セックスを連想させてはいけないので、
男女がベッドで寝巻き姿で、同時に横たわってはいけない、とされた。

いまのわたしたちから見れば、いかにもバカげた規制だ。

共和党員のヘイズという人物が規制したので、
ヘイズ・コードとも呼ばれているらしい。

やがて、映画中では、男女は夫婦であってもツインベッドにそれぞれ寝て、
ダブルベッド自体が映画作品から消えていくことになる。

どうしてもベッドに男女がそろって映らなければならないときは、
どちらかがきんちとした洋服を着ていなければならなかった。

このことについて、
蓮實重彦『映画に目が眩んで』(中央公論社)に解説してもらおう。

つまり、アメリカ映画がそれまでもっていた洒落た男女の間のやりとりというのはなくなり、同じダブルベッドの上に男女を寝そべらせてはいけないという規則ができたからには、アメリカ映画の作家たちは、そういう状況ができないために優れた映画を作ろう、と思い始めたわけです。……(中略)……そのヘイズ・コードが、ダブルベッドの植えに男女が寝るのを禁ずるのであれば、男女は映画の中で結婚しなければいい、という凄い結論が出てくるわけです。……(中略)……この頃からアメリカ映画には、結婚できない婚約者の話がわーっと出てくる。これがいわゆるアメリカのセックス・ウォー・コメディと言われているものになるわけですね。最後に結婚式に辿りつき、深い関係を結ぶベッドシーンになるという、そこを撮ってはいけないのなら、婚約者は結婚できない、という映画を撮ればよいということになり、それを基調にしたスクリューボール・コメディがアメリカの喜劇の主流を作ります。


こうしてできたのが、『赤ちゃん教育』だったというわけである。

(監督ハワード・ホークス/1938年アメリカ)













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