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zoom RSS ジョージ・リッツア『マクドナルド化する社会』(早稲田大学出版局)

<<   作成日時 : 2008/03/12 11:03   >>

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世界は、全体が「マクドナルド」になってしまう。
これが本書の主旨である。

「マクドナルド」は、現代の象徴だ。

ファストフードは、マニュアル化・画一化・利益至上主義の象徴であろう。

ボリュームのある本だが、読みやすいし、事例も豊富。

グローバリゼーションを理解するうえでも、必読だ。

著者は、「マクドナルド化」を四つの特徴として捉える。

 @ 効率性
 A 計算可能性
 B 予測可能性
 C 制御


これらをまとめて「合理化」と呼ぶことができるが、
合理化の進行がいかに脱人間化していくかを明らかにする。

非効率なもの・計算不可能なもの・予測不可能なもの・制御不可能なものを、
徹底的に排除していくのが「マクドナルド化」である。

「マクドナルド化」は、医療分野で最も先鋭的にあらわれている。

かつて出産の大半は家庭で女性の親族や友人の介助によって行われた。しかし、こうした過去における「社会的な出産」は、いまやほとんどすべて、病院の中で「見ず知らずの他人」の監視のもとで行われている。(268頁)


著者はこれを「出産の官僚制化」と呼んでいる。

「出産」は、「自然」のリズムにそって行なわれてきた。

人間には予測不可能なものであり、人間はただ「待つ」しかなかった。

ところが、「マクドナルド化する社会」は、「出産」をも制御しようとする。

女性は、出産のために、さまざまな薬を投与され、
さまざまな道具で身体をいじくられる。

「女性は産婦人科の作業ラインでまるで羊のように切開されるのです。投薬され、手術台の上にくくりつけられます。そこで、子どもが鉗子によって取り出されるのです」(269頁)


近年、「帝王切開」で出産する女性が増えているのをご存知だろうか。

昨年だったか、日本の新聞でもこのことを小さく取り上げていた。

……通常の、しばしば予測不可能な出産が数週間(あるいは数カ月も)早まったり遅れたりすることがあるのに比べて、帝王切開はより予測可能である。しばしばいわれているように、帝王切開は一般的に、医師たちが夕食に間に合うように帰宅できるため、午後5時30分までに行われるようである。(271頁)


予測不可能な出産を、帝王切開によってスケジュール通りの出産に代える。

そうすれば、医師は夕飯に間に合う。

これが「マクドナルド化する社会」であり、「合理化する社会」である。

おそらくこの傾向は、さらに進んでいくにちがいない。

精子・卵子の冷凍保存技術は、「妊娠」の制御も可能にするだろう。

人間は、巨大な社会システムのなかで「生産」されているのかもしれない。














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アラン・ブライマン『ディズニー化する社会』(明石書店)
以前ここで『マクドナルド化する社会』というおもしろい本を紹介した。 ...続きを見る
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2008/12/13 15:00

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