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zoom RSS 大西巨人『神聖喜劇』(光文社文庫)

<<   作成日時 : 2008/01/26 23:57   >>

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大西巨人の大傑作『神聖喜劇』(全5巻)。

こんなにすごい小説を、わたしたちは日本語で読めるのである。

なんという幸福だろう。

必読書中の必読書である。

ところで、作者大西巨人は、あの渡部昇一を厳しく批判したことでも知られている。

渡部昇一は、元上智大学教授である。

ゴリゴリの保守派で、あの日本財団とも関係が深いといわれる。

また、あの日本会議のシンパともいわれる。

まあ、この紹介で、どの程度の人物かはお分かりだろう。

事態を知らないひとのために、本書の内容からは外れてしまうのだが、
簡単な経緯を記しておこう。

大西巨人の二人の子どもは、血友病患者なのだそうだが、
このことに対して渡部昇一は、
次のように『週刊文春』(1980年)のエッセーで述べた。

未然に避けうるものは避けるようにするのは、理性のある人間としての社会に対する神聖な義務である。現在では治癒不可能な悪性の遺伝病をもつ子どもを作るような試みは慎んだ方が人間の尊厳にふさわしいものだと思う。


悪性の遺伝病をもつ子どもは作るな、とおっしゃるのである。

さらに彼は、次のように述べている。

渡部氏は、西ドイツ(当時)の活力の一因は「ヒトラーが遺伝的に欠陥ある者たちやジプシーを全部処理しておいてくれたため」


とも述べている。

(以上、松原洋子「日本――戦後の優生保護法という名の断種法」より引用)

これを受けて、大西巨人は、
「ヒトラー・ナチズム、ファシズムへの傾倒礼賛」
「弱肉強食、弱者切り捨ての奨励にほかならない」として、厳しく批判した。

当然の批判だが、大西巨人はどれほど深く傷ついただろう。

渡部昇一のいう「全部処理しておいてくれた」の「処理」とは、
「殺人」のことである。

「殺人」を「処理」と呼ぶこの怖ろしき言語感覚。

障害者やジプシーを殺しておいてくれてよかった、
と平然と述べているのである。

脱線してしまった。

ともあれ、『神聖喜劇』は、日本文学史に残る大傑作である。














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