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zoom RSS ジョージ・オーウェル『オーウェル評論集』(岩波文庫)

<<   作成日時 : 2007/04/03 15:44   >>

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いまオーウェルを読むとは、どういうことか。

ジョージ・オーウェルは、イギリスの作家である。

『1984年』『動物農場』などの小説でも知られている。

『1984年』は、監視社会化が進む今、もっとも読まれるべき作品のひとつだ。

『動物農場』は、子どもが読んでも分かるように書かれた全体主義批判の作品だ。

その彼の評論集も、もっと読まれてよい。

……世間一般にユダヤ人差別があることは誰もが認めるくせに、自分もその一人だということは認めたがらない……。


「ユダヤ人差別」のところを、
ほかの言葉に置き換えてみるくらいの想像力は、
誰にでもあるだろう。

「中国人差別」「朝鮮人差別」「外国人差別」「部落差別」
「女性差別」「障害者差別」「非正規雇用労働者差別」……。

しかし、それらの差別に加担していると自覚している日本人が、
いったいどれだけいるだろうか。

自分だけは差別していないと信じているおめでたいひとが、
どれほど多いことか。

オーウェルの「ナショナリスト」の定義は、皮肉たっぷりだ。

ナショナリストは、味方の残虐行為となると非難しないだけではなく、耳にも入らないという、すばらしい才能を持っている。


北朝鮮による拉致問題は大声で非難するくせに、
慰安婦問題は平然と無視し、
被害者を侮辱する安倍晋三首相とその仲間たち。

ナショナリストって、すばらしいなあ。

ジョージ・オーウェルをいま読むということは、
日本の全体主義化に抵抗するということだ。

自己を相対化し、自分も加害者であることを自覚するということだ。

つまり、自分が変わるということなのである。

ジョージ・オーウェルは、いまもっとも読まれるべき作家のひとりである。

















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コメント(2件)

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ナショナリズムの話題からは脱線しますが、「1984年」の主題である監視社会論についてコメントさせてください。

監視社会化と聞いてピンとくるのは新宿の路上に設置されたCCTVカメラです。いまや路上の防犯・監視カメラは全国へと広がりつつありますが、最初に設置されたのが歌舞伎町である点に注目したいと思います。

私は地方出身のため見当違いな発言かもしれませんが、東京の中でも新宿は多種多様なものが交じり合ったスクランブルエッグのような街だと思うのです。またネグリとハートの概念を借用すれば、マルチチュードの可能性を感じさせてくれる街でもあります。

ですが国家権力からすればポストモダン的「差異の戯れ」が社会を変革する力を持った「マルチチュード」へと変化すること、もっと初期的な話では「見えないところでコソコソ活動されること」が怖かったのかなと思います。95年のサリン事件や01年の同時多発テロは権力側に「絶対的に差異化された集合体」としてのマルチチュードを解体、または可視化する口実を与えたように思います。
NT
2007/04/04 23:15
◆NTさま

はじめまして。コメントありがとうございます。
監視カメラはどこが最初だったのかについては、どうでしょう、大阪の「あいりん地区」も早かったように思いますが、歌舞伎町の方が早かったかもしれませんね。どちらにしても、監視カメラがどこに設置されるのかを見ると、逆に国家権力の不安がどこにあるのかということも見えてくるとは言えるでしょう。NTさまのおっしゃるとおりだと思います。

「テロ」が口実を与えたという面は、たしかにあるでしょう。ただ、監視社会化は治安の側面だけでなく、医療などにおいても見られるものですから、「テロ」がなくても監視社会化は進行していくでしょうし、監視化そのものが「テロ」などの不安要因を誘発するという側面も見ておきたいとわたしは考えます。

「マルチチュード」の可能性については、わたしにはまだ判断がつかないところがあって、お答えに窮してしまうのですが、「新宿」の魅力が雑居性にあるという点は、同意できます。
影丸
2007/04/05 18:11

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