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zoom RSS 「遠い夜明け」(監督リチャード・アッテンボロー)★★★★☆

<<   作成日時 : 2006/03/26 17:02   >>

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わたしがまだ高校生か大学生だったころに、この作品を劇場で観た。

それを、久しぶりにDVDで先日観た。

南アフリカ共和国のアパルトヘイト(人種隔離政策)と闘う活動家ビコ。

演じるのは、若きデンゼル・ワシントン。

主人公の白人ジャーナリストは、もともと穏健なリベラルだった。

彼は、新聞の編集長。

南アの白人社会のなかでは、エリートだった。

彼にとって、黒人活動家の主張は過激すぎると思われた。

しかし、ビコと知り合い、底辺の黒人たちの暮らしを目撃していくことになる。

白人と黒人が平等に暮らす社会を夢見るビコの人柄に、じょじょに惹かれていく。

ところが、ビコは警察に拘束された挙句、虐殺されてしまう。

警察による公式発表では、ビコの死因は「ハンストによる自殺」。

主人公は、ビコの死の真相を出版するために、原稿をもって亡命を決意する。

すでに南ア政府による監視下におかれていた主人公が、
牧師に変装して、国境を越えていく道中はスリリングである。

南アフリカでは、法的手続きを経ずにテロ容疑者を拘束できる制度があった。

それによって、多くの黒人活動家たちが拘束され、殺されていった。

映画のラストは、圧巻である。

警察によって拘束されたあとに死亡した黒人活動家たちの名前が、
次々に映し出される。

彼らの死因は「自殺」「事故死」「自然死」……。

見どころは、自分はリベラルだと思い込んでいた主人公が、自分の甘さに気づき、
白人社会のなかで多くの特権を享受していたことに気づき、変わっていくところである。

南アフリカでは、すでにアパルトヘイトは撤廃された。

しかし、この映画が描いた世界は過去ではない。

アメリカは現在、反テロ愛国法によって、まさに南ア政府と同じことをおこなっている。

有色人種に対して、拷問と虐殺を繰り返している。

他方、中国の軍事費が上昇していることには敏感に反応するのに、
そうしたアメリカの残虐行為にはひと言の批判もしないのが、わが日本政府だ。

思い出される。

日本政府や日本企業は当時、南アのアパルトヘイトに対しても、きわめて寛容であった。

白人政権と癒着して、大きな利益を上げていた。

だから日本人は、「名誉白人」などという恥ずかしい名前をつけられていたのだった。

ひと皮むけば「白人」と同じだとして、「バナナ」などと呼ばれてもいた。

これが、日本の姿だ。

「夜明け」は、まだまだ遠い。


















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