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zoom RSS 河合香織『セックスボランティア』(新潮社)

<<   作成日時 : 2005/11/19 13:02   >>

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障害者の「性」の問題に光を当てるルポ。

従来の、延命・治療を第一に考える医療に対して、
患者の生活の質を向上させることを重視する考え方があらわれた。

これを、「QOL(Quality of Life)」という。

著者は、このQOLにセックスも入れるべきではないか、
という視点から、この問題を描き出している。

自らの身体を動かすことができない障害者の「性」の介助。

これまで語られることの少なかった問題である。

驚くのは、オランダの事例である。

自治体が、障害者の「性」の介助のための金銭的援助をおこなっているという。

障害者は、自治体に申請すれば、助成金を得ることができるのである。

ただ、この本は、事例の報告にとどまっている。

筆者は、この問題の性質・構造・課題にまでふみこんで分析をおこなっていない。

だから、「障害者の性の問題」をどう位置づければよいのか、
筆者自身もわかっていないように思える。

わからないままに取材対象に接近し、事態を報告しているように思える。

その点で、いささか物足りなさの残る本ではあった。













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「河合香織『セックスボランティア』(新潮社)」について
「河合香織『セックスボランティア』(新潮社)」について まだ、読んだ訳ではありませんのでなんとも申し上げられませんが、主義主張のないドキュメントっていうのもアリなのかなぁって思います。 ...続きを見る
sendo
2005/11/24 07:47
「河合香織『セックスボランティア』(新潮社)」について
「河合香織『セックスボランティア』(新潮社)」について こんにちは。 先日、路上でホームレスの方が「THE BIG ISSUE」という雑誌を売っていたので購入したところ、当書籍が紹介されておりました。 奈良美智の変な顔の少女が表紙の号です。 よろしければ、どうぞ。 ...続きを見る
sendo
2005/12/03 15:56

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
◆sendoさま、TBありがとうございます。

「主義主張のないドキュメンタリー」についてですが、わたしはきわめて危険だと考えています。純粋に客観的な事実など、ありえません。書き手のスタンスを明らかにするのがルポライターの基本であるはずです。ただ興味があったから書いたというのでは、あまりに無責任なのです。
文責というのは重いのです。
そうは思われませんか?
影丸
2006/01/09 17:48
なるほど、そう思います。
全然、危機感なぞ感じておりませんでした。
この本の著者は、そのように興味本位で執筆していたのでしょうか?
つい最近、購入いたしまして(まだ開いてはいないのですが…)読もうと思っていたのですが、どのように読んだらよいでしょうか?
取り上げる問題に拠らず、ドキュメンタリーというものは全て主観によって編集されている事は重々承知しているつもりです。
しかし、この本には何の意図もなく書かれたものなのでしょうか?

多少時間がかかるかもしれませんが、読んだ後にまたコメント差し上げます。
船頭
2006/01/10 20:26
◆sendoさま、コメントありがとうございます。

そうですね、やはりこの本だけで何かを理解しようとせず、障害者問題の著作をほかにもいくつか読んで、文脈を捉えておく、という注意が必要だと思います。
この本を読んだら、ぜひほかの障害者問題を扱った本を読むことをおススメします。
影丸
2006/01/11 10:11

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