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zoom RSS 「ザ・コア」(監督ジョン・アミエル)★☆☆☆☆

<<   作成日時 : 2005/08/07 14:27   >>

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この映画を観た人は、どのくらいいるだろうか?

これは、いわゆるパニック系・戦争系に分類されるものだ。

ただ、この作品は、それまでのハリウッド映画とはちょっとちがうのである。

どこかが、おかしいのだ。

ある日、地球に異変が生じる。

原因は、
本来地球の中心で回っているはずの中心核(コア)が止まってしまったことだという。

科学者たちは、総力をあげて、地底深く潜っていける潜水艦をつくる。

地中の岩盤を掘って、掘って、地球の中心まで到達できるという潜水艦。

これまで、宇宙に飛び出していく、という作品はたくさんあった。

海底で冒険が繰り広げられる作品もあった。

でも、「ザ・コア」では、地球の真ん中まで深く深く潜っていく。

そして、主人公たちがその船にのって、ミッションを遂行する。

つまり、核爆弾を中心核に投下して、再び「コア」を回転をさせるというのだ。

そんなお話だ。

そして、物語の途中で、意外な秘密が明らかにされる。

じつは、「コア」を止めてしまったのは、ペンタゴンだというのである。

ペンタゴンは、秘密兵器を開発していた。

それは、地球のエネルギーを利用して、世界中どこでも火山の噴火や地震を起こせる。

そういう、恐ろしい兵器だったのだ。

ところが、まちがって、「コア」を止めてしまった、というのである。

この作品のおかしさは、どこにあるのだろうか?

それは、まとめると、「敵の不在」ということになるだろう。

「敵」がいないのだ。

それまでのハリウッド映画には、はっきりとした「敵」が存在していた。

テロリストであったり、宇宙人であったり。

わかりやすい「敵」が必ずいて、
それを主人公が倒すというのがハリウッドの文法だった。

しかし、この「ザ・コア」には、明確な「敵」がいないのである。

そのおかしさについて、C・ダグラス・ラミスが的確に指摘している。

米軍は、米軍が起こした世界規模の脅威と闘っているわけ。
すなわち、敵は自分なのである。
映画製作者自身どの程度意識したかわからないが、ポスト9・11の映画として、お見事である。
オサマ・ビンラディンが、CIAの手先としてテロのキャリアを始めたのは周知のことだ。
……
イラクのフセイン独裁政権は、イランに対する「秘密兵器」として米政府に利用されたこと、当時持っていた大量破壊兵器技術は米政府からもらっていたことも周知のことだ。
……
「テロに対する戦争」は、やればやるほどテロ問題を悪化させる悪循環になっていることは、ますます明確になってきている。
……
「テロに対する戦争」の核心まで探ると、それはアメリカの自分自身との戦争だということが見えてくる。
(C・ダグラス・ラミス『なぜアメリカはこんなに戦争をするのか』晶文社)


自分たちで仕掛けた脅威に自分たちがおびえ、振りまわされていた。

まるで「消防士が放火魔だった」みたいな感じ。

ちょっとちがうか。

「パンツにうんこをもらした奴が、パンツに文句を言いながら洗ってる」感じ。

これは、コラムニスト小田嶋隆が以前使っていた比喩だったか。

ともあれ、「ザ・コア」はおかしな映画だ。

近年の戦争系ハリウッド映画に質的な変化が感じられるとしたら、
それは、「ザ・コア」以降であると言えるようだ。
















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